おしえて、冷凍先生! 鈴木 徹 先生編 第1回 (2/3)

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冷凍すると、保存期間が長くなる

フリージー  「ずっと思っていたことがあるのですが、どうして食べものを凍らせようなんて考えたんですか?」

鈴木先生   「フリージー君は、冷凍食品って何度くらいで作られているか、知っているかい?」

フリージー  「0度・・・、ウーン、マイナス5度くらいかな?」

鈴木先生   「もっと冷たいよ。冷凍食品は-18℃以下で作られているんだ。
だから家庭の冷蔵庫でも、冷凍室は-18℃以下になるよう作られているんだよ」

フリージー  「そんなに冷たいんですね。」

鈴木先生   「-18℃以下では、食べものの中の水分は凍ってしまう。油や脂肪分も固まってしまうんだ。これだけ冷やすと、食べものの変化がグッと遅くなるんだよ」

フリージー  「食べものの変化って?」

鈴木先生   「そう。部屋の温度で1日保存できるものは冷凍すれば10倍の10日。10日保存できるものは100日。1ヶ月保存できるものは、約1年まで賞味期限を伸ばすことができるんだ」

フリージー  「冷凍って、食べものを保存するための発明だったんですね!」

意外と古い、冷凍食品の歴史

フリージー  「先生、冷凍食品はいつ生まれたんですか?」

鈴木先生   「日本で最初に冷凍工場ができたのは、大正9年。いまから90年も前のことなんだ」

フリージー  「そんなに古くから冷凍の技術が活かされていたんですね!」

夢の冷凍食品は、なんと「すき焼き」

フリージー  「ところで先生、食べものはなんでも凍らせることができるんですか?」

鈴木先生   「凍りにくいものもあるんだ。たとえば植物油。ごま油はマイナス20度でも凍らない。 しかも凍れば解決、というわけではないんだ」

フリージー  「どういう意味ですか?」

鈴木先生   「解凍した時、もとの状態にもどらなければ、凍らせる意味がないからね。凍ると味や食感が変化してしまう食べものもあるんだ」

フリージー  「どんな食べものですか?」

鈴木先生   「ゆで卵とかは難しい。凍らせて解凍すると、スカスカになって食感が悪くなることが多い」

フリージー  「凍らせるとおいしくないんですね?」

鈴木先生   「おいしさを保つのがとても難しい、ということだね。同じように豆腐やこんにゃくも、水分が凍ると他の成分がくっついてスカスカになってしまう。だから冷凍のすき焼きを作るのは、食品メーカーの夢なんだ」

フリージー  「へぇー!」

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