おしえて、冷凍先生! 鈴木 徹 先生編 第2回 (2/3)

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【なぜ再凍結させてはいけないのか?】

鈴木先生   「解凍した冷凍食品を、もういちど凍らせることはやめたほうがいいな。」

フリージー  「なぜですか?」

鈴木先生   「解凍するとはつまり凍らせる前の状態に戻すこと。凍らせる前の食べ物は痛んだり腐ったりする。それをまた凍らせることは、見た目には分からなくても、危険があるということだよ。」

フリージー  「ふーむ。」

鈴木先生   「冷凍食品は工場できちんと衛生管理されて作られてるから安心して食べることができるけれど、一度解凍して、また凍らせた食べ物は、そうはいかない。一度解けてしまったあと置いておいたとき害のある微生物がどれだけ増えているかわからないからね。」

フリージー  「見た目はおんなじだから、よけいに怖いなあ。」

鈴木先生   「味や栄養も、見た目ではわからないからね。」

【冷凍することでどんな変化があるのか? 味や栄養は?】

フリージー  「先生、食べ物を凍らせると、味は変わるの?」

鈴木先生   「これが、ほとんど変わらないんだな。-18℃以下に凍らせて、そのまま温度変化のない場所に保存した食品を調べると、1年以上たっても品質が変わらなかったという実験データがある。」

フリージー  「1年以上も!」

鈴木先生   「冷凍したものが美味しくないっていう人がよくいるけどそれは保存の仕方が聞違っている場合が多いんだ。冷凍庫の中は-18℃以下、これだけ寒いと乾燥状態になる。きちんと包装していないと食材はカサカサになってしまう。これじゃ美味しいはずがない。」

フリージー  「冷凍庫は乾燥するんだ。」

鈴木先生   「でも食材をきっちり密封して水分が逃げないようにすれば美味しさは変わらない。うまく冷凍すれば、旨み成分が増えてより美味しくなることだってあるんだよ。」

フリージー  「冷凍させると美味しくなる!?」

鈴木先生   「味だけじゃなく、栄養も保つことができるよ。常温や冷蔵では酵素の働きでビタミンなどの分解が進んでしまう。でも冷凍なら栄養もそのまま保つことができる。シジミやきのこ類など、凍らせることで栄養価が上がる食材もあるんだ。」

フリージー  「凍らせると栄養満点! じゃ、もっと冷凍しないと。」

鈴木先生   「ただし、家庭の冷凍庫は開け閉めするたびに温度が変わるから、あまり長いこと置いておかないほうがいいね。やっぱり限界がある。賞味期限は守ろう。」

フリージー  「はーい!」

【上手な解凍のコツ】

鈴木先生   「もうひとつ。美味しく食べるためには、適切な解凍の仕方を知っておく必要があるんだよ。」

フリージー  「適切な解凍? 僕はむずかしいことが苦手なんだけど・・・」

鈴木先生   「むずかしくなんかないさ、フリージーくん。適切な解凍の仕方は、冷凍食品のパッケージにきちんと書いてあるからね。」

フリージー  「どこどこ?」

鈴木先生   「ほら、冷凍食品には「何ワットの電子レンジで何分問」とか「オーブントースターで何分」って書いてあるよね? その通りにすれば、絶対に間違いはない! これは冷凍食品を作った人が「こうすればいちばん美味しく食べられますよ」と親切に書いてくれたものだ。これ以上の調理法はないよ。」

フリージー  「ぼく、あまり読んだことなかったなあ。」

鈴木先生   「最近は電子レンジもいろんな強さ(加熱方法)のものがあるから、いちどきちんと見てみたほうがいいなあ。まあ、適当に温めてもそこそこ美味しいのが、冷凍食品のいいところでもあるんだが・・・」

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