賞味期限切れの冷凍食品は食べられる?安全に保存する方法も紹介

日本冷凍食品協会広報部編集チーム

Facebook
X
LINE
スーパーの冷凍食品の陳列の画像

冷凍してあるからと安心して、つい冷凍食品の賞味期限を過ぎてしまうことはありませんか。「冷凍していたから、きっと大丈夫だろう」と思って食べようとしたことはないでしょうか。

そこで今回は、賞味期限を過ぎた冷凍食品は食べられるのか、さらに冷凍食品の賞味期限の目安や保存のポイントについてわかりやすく解説します。

冷凍食品にも賞味期限がある!

冷凍庫の画像

冷凍食品は長期保存できることが魅力ですが、ずっとおいしさが保てるわけではありません。実は常温の食品と同じように、冷凍食品にもきちんと「賞味期限」があるのです。

ここでは、冷凍食品の賞味期限の目安、どのように決めているのか、期限切れの冷凍食品は食べられるのか、長期間おいしく食べられるための保存方法などについて紹介します。

冷凍食品の賞味期限の目安とは?

冷凍食品の賞味期限は、使用されている原材料や加工方法によって異なるため、製造日から8~24か月程度とされています。そのため、必ずパッケージに記載された賞味期限を確認することが大切です。

なお、賞味期限は「-18℃以下の安定した温度で保管すること」を前提に設定されています。保管中、冷凍庫のドアの開閉が頻繁な場合には、記載された期限よりも早く品質が低下する可能性がある点にご注意ください。

冷凍食品の賞味期限はどのように決められる?

冷凍食品の賞味期限は、日本冷凍食品協会の「冷凍食品の期限表示の実施要領」を参考に、商品特性に応じた試験を行い、その結果に基づいて設定されています。ただし、具体的な方法は、製造者独自で決められていることが多く、必ずしも国が定めたガイドラインと同一ではありません。

一般的な設定方法は、製品を-18℃以下で保管し、想定した期間内に以下の試験を繰り返し行います。

  1. 細菌試験:微生物の増殖
  2. 理化学試験:油脂などの成分の変化
  3. 官能試験:品質の劣化(外観、食感、香り・風味など)

これらの試験結果を踏まえ、一定の品質が保たれる期間(いわゆる、おいしく食べられる期間)を、賞味期限として設定しています。

賞味期限切れの冷凍食品は食べていい?

レンジの画像

基本的には、賞味期限を過ぎた冷凍食品は、食べないほうが良いです。その理由は、安全性というよりも「おいしさや食感」が大きく損なわれている可能性が高いためです。

先に説明したとおり、冷凍食品の賞味期限は「-18℃以下で安定して保存されていること」を前提に決められています。家庭用の冷凍庫も-18℃以下で保管できるように設計されていますが、扉の開閉が多いため、実際には温度が一定に保たれにくいのが現状です。

その結果、購入した冷凍食品を家庭の冷凍庫で保管していても少しずつ水分が蒸発したり油脂の酸化が進んだりして、風味や食感が低下していきます。

したがって、パッケージに記載された賞味期限にかかわらず、以下を目安に食べ切ることを推奨しています。

  • 未開封のもの:2~3か月以内。ただし、扉の近くなど温度変化が大きい場所に置いたものは1~2か月以内
  • 開封したもの:できるだけ早く

さらに、このあとご紹介するような状態となっている場合は、品質が大きく低下しているサインのため、食べるのは控えましょう。

要注意1|極端に霜がついている場合

冷凍食品のパッケージの内側に、霜がたくさんついているのを見たことはありませんか。
パッケージ内に少量の霜がついている程度であれば問題ありませんが、袋全体や食品そのものに霜が厚く付着している場合は「冷凍焼け(※)」が起きている可能性があります。
冷凍焼けをした食品は、風味が損なわれたり、色が変わったりと、品質が大きく低下している状態です。

※冷凍焼けとは
食品の品質が低下している状態を示す現象です。冷凍食品を冷凍庫で長期間保存している中で、庫内の温度変化により、食品表面の水分(実際は、氷の結晶)が少しずつ蒸発し、これがパッケージの中で再び氷の結晶(霜)となり、パッケージの内側や食品などに付着していきます。その結果、食品中の水分が減る⇒食品表面が乾燥⇒パサついた食感になります。さらに、油脂を多く含む食品では、乾燥により油脂が酸素に触れやすくなる⇒食品中の油脂の酸化が進む⇒風味が落ちる⇒独特の臭いが発生します。

要注意2|色が変化している場合

冷凍庫で保存中の冷凍食品に、「要注意1」のように極端な霜がついている場合には、品質劣化のサインとして色の変化が現れるため、調理する前にご注意ください。

冷凍食品の色の変化変化した理由
くすんだ色油脂の酸化や乾燥
黄色っぽい色油脂の酸化
白っぽい色乾燥

次に、冷凍庫から冷凍食品を取り出して食べた後、余ったものを再び冷凍庫の戻す場合の要注意点です。

要注意3|解凍した場合

一度、解凍した冷凍食品は、必ず食べきってください。商品パッケージに「解凍してそのままお召し上がりください」と表記している冷凍食品の場合、解凍しすぎて食べきれなくなり、再び冷凍庫に戻して冷凍すること(再凍結)はありませんか?このように家庭の冷凍庫で再冷凍を行った場合、緩慢凍結となり本来のおいしさがなくなるため、再凍結は避け、食べきれる分だけを解凍し、残った冷凍食品は「要注意4」と同様に、速やかに冷凍庫に戻してください。

【補足】冷凍食品を再凍結してはいけない理由

解凍した冷凍食品は、再凍結しないでください。再凍結すると、以下のようにおいしさも栄養も失われ、さらに食中毒の危険も高まるため推奨しません。

  • 品質が大きく低下する:一般的に家庭用冷凍庫で凍結を行うと緩慢凍結となり、これを解凍した場合、食品中の細胞が壊れ、水分、栄養、旨み成分が流れ出し、食感が悪くなり風味が低下します。
  • 栄養価が低下する:解凍・再凍結を繰り返すと、ビタミンなどの栄養成分が壊れやすくなります。
  • 食中毒のリスクが高まる:解凍する場合の部屋や冷蔵庫の温度や解凍後の保存温度にもよりますが、いずれも品温が高くなり細菌が増える可能性があります。もし、食中毒菌に汚染されていた場合は、食中毒のリスクが高まることになります。

※通常の冷凍食品は、急速凍結をすることで、本来の品質を保つことができています。

【参考】急速凍結と緩慢凍結の違い(品質劣化のメカニズム)

■急速凍結
冷凍食品工場などにある急速凍結庫で凍結を行う場合、この最大氷結晶生成帯を短時間で通過することができ、小さな氷の結晶となり、細胞組織の破壊が最小限に抑えられ、解凍や調理をした場合でも、つくりたての製品と同じ品質が保たれます。

■緩慢凍結
凍結能力の低い冷凍庫などで凍結する場合、最大氷結晶生成帯と言われている温度帯(-1℃〜-5℃)をゆっくり通過するため、食品中の氷の結晶が大きくなり細胞壁を破壊します。これにより、解凍時にドリップ(※)が発生し、食感・風味・栄養が損なわれます。
※ドリップとは、冷凍食品を解凍した際に食品から流れ出る液体のことです。主に水分と可溶性の栄養成分(タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)を含み、食品の品質や栄養価に影響を与える重要な現象です。

なお、項目別にみた急速凍結と緩慢凍結の違いは以下の通りです。

項目急速凍結緩慢凍結
最大氷結晶生成帯通過時間約30分以内で凍結30分以上かけて凍結
氷の結晶の大きさ微細大きい
細胞組織への影響細胞膜が破壊されにくい細胞膜が破壊されやすい
解凍時のドリップ少ない多い
食感・風味つくりたてに近い食感・風味が劣る
栄養価高く保持される傾向栄養素が流出しやすい

要注意4|開封した場合

一度、開封した冷凍食品は、「要注意1・要注意2」のような変化が現れやすくなるため、食べきることをお勧めします。食べきれなかった場合は、なるべく空気が入らないよう密封した後、早めに冷凍庫に戻してください。このような場合でも、できるだけ早めに食べきってください。詳しくは、次にある「冷凍食品をおいしく安全に保存するコツ」もご覧ください。

冷凍食品をおいしく安全に保存するコツ

冷凍庫の画像

ここでは、冷凍食品をよりおいしく安全に保存する7つのコツを紹介します。

なお、冷凍食品の保存に関しては、こちらもご覧ください。

知って納得!冷凍食品「保存」にまつわる豆知識

お弁当のおかず、主食やランチなど、日々私たちの生活シーンで広く活躍している冷凍食品。そんな冷凍食品を語るうえで欠かせない「保存」にまつわる豆知識をご紹介! また普段の冷凍食品の「保存」に関する疑問もまとめました。長期保存ができる冷凍食品をいつでも安心して美味しく食べるために、知れば納得の正しい「保存」に関する知識をレクチャーします。 冷凍食品の歴史を知ろう! 知っていますか?今や私たちの食卓に欠かせない食品凍結の始まりを いつでも新鮮なお刺身が食べられるのは冷凍技術のおかげ! 冷凍食品というと、みなさんは何を想像しますか?お弁当用のから揚げや夕食のおかずとしても大人気のギョウザやシュウマイ、ひとりランチに活躍するチャーハンや鍋焼きうどんなど、今はその種類も様々。こうした調理食品を思い出すことが多いのではないでしょうか。 しかし、海に囲まれた日本での食品凍結の始まりは、魚からでした。食品凍結の長い歴史を紐解くと、その始まりは実に約100年前まで遡ります。1920年に現ニチレイ(当時の葛原商会)が北海道森町に造った冷蔵庫がその始まりと言われ、日に10トンの魚を凍結させることが可能に。とれたての新鮮な魚をすぐに凍結して保存し、流通させることができるようになったおかげで、水揚げから何十日か経っても美味しい魚を食べることができるようになったのです。今では、まぐろにみられるように世界各地で冷凍された魚介類が輸入され、日本全国で食することができます。 ニチレイフーズの森工場には、「日本冷凍食品事業発祥之地」の記念碑が立てられています。そんな冷凍食品工場の内部を見ることができるのを知っていますか?日本冷凍食品協会のホームページでは工場見学のできる全国の冷凍食品工場をご案内しています。普段はなかなか見ることができない製造機械や作業を間近に見ることができるので、ぜひお子さんやご友人を誘って出かけてみてください。なお、見学には事前予約が必要です。各工場で条件が異なるので、それぞれの工場にお問い合わせください。 冷凍=保存の技術、ということをご存知ですか?今や様々な生鮮食品を全国どこでも食べることができるのはこの冷凍による保存技術の進歩あってこそ。そんな食品の凍結技術のはじまりについてご紹介! 知ってる?冷凍食品の始まりは、日本も海外も「冷凍いちご」だった! 日本ではいつでもいちごが食べられるようにと発売 今回は、冷凍食品の始まりにまつわるお話を。以前こちらのサイトでもご紹介した通り、日本最古の市販用冷凍食品は、1931年の「イチゴシャーベー」だったと言われています。 いちごシャーベー 材料(2~3人分) 約10分 冷凍いちご150g 牛乳カップ1/2 砂糖大さじ2 レモン(飾り用)適宜 作り方 凍ったままのいちご、牛乳、砂糖をジューサーミキサーに入れて撹拌し、密閉容器などに入れて冷凍庫で凍らせる。 1時間に1回程度かき混ぜて、好みの硬さになったら出来上がり。好みでレモンを添える。 大好きないちごをいつでも食べられるように、という気持ちから、冷凍のいちご加工品ができたというのは興味深いお話です。 一方、海外での冷凍食品の始祖も、実はいちごだったそう。こちらは、20世紀初頭にアメリカはコロラド州で、ジャムを作るためにいちごを冷凍したのが始まりなのだとか。場所は違えど、どちらも一年中いちごが食べられるようにとの理由から作られたなんて、香り高く甘酸っぱい旬のいちごが、世界中でいかに愛されていたかがわかるエピソードですね! 今回は、そんな冷凍食品の歴史へのオマージュを込めて、冷凍果実を使ったジャムレシピをご紹介。冷凍いちごよりも手に入りやすい、冷凍ミックスベリーを使ってみました。朝食に、おやつの時間にと、役立ててみてくださいね。 濃厚なミックスベリーの香りを閉じ込めたベリージャム 材料(1瓶分) 冷凍ミックスベリー200g 砂糖50g レモン汁小さじ1 作り方 凍った冷凍ミックスベリーを小鍋に入れ、ふたをして弱火で15分ほど煮る。ふたを開け、アクをすくいながら、さらに20分ほど煮る。砂糖とレモン汁を入れてかき混ぜる。 POINT ジャムは焦げないよう、木べらなどで時々かき混ぜながら煮詰める。 「旬のものを一年中食べられるように」という理由がポイント。冷凍食品の始まりにまつわる話をご紹介します。 冷凍食品の始まり「イチゴシャーベー」をつくってみた 牛乳と冷凍イチゴでつくる素朴でやさしい味わい 冷凍食品の始まりは、どんなものだったか知っていますか? 現代では、冷食というとうどんや揚げ物など、調理品を連想しますが、なんと日本で最初の市販冷凍食品は、いちごを凍結した「イチゴシャーベー」なるものだったのです。 今からさかのぼること85年、それは1931年のことでした。当時の戸畑冷蔵(現:日本水産)の開発者が、イチゴをつぶして砂糖と牛乳をかけて食べるイチゴミルクが大好きで、それを旬にかかわらずいつでも食べられるようにしたいとの願いから作ってみたのがきっかけ。その後、時間をかけて徐々にいろいろな食品が冷凍され売り出されるようになったということです。 今回はそのイチゴシャーベーを再現。残念ながら当時の詳細なレシピは今ではどこにもないのですが、「冷食のススメ」編集部が確認したいくつかの資料から得た情報を元に「こんな感じかな?」と現代版イチゴシャーベーを作ってみました! ムダなものを入れずに作るシンプルさが新鮮!イチゴシャーベー 材料(2~3人分) 冷凍イチゴ150g 牛乳100ml 砂糖大さじ2 飾り用レモンあれば少量 作り方 ジューサーミキサーにすべてを入れて撹拌し、タッパーなどに入れて冷凍庫で凍らせる。1時間に一回程度かき混ぜて、好みの硬さになったら出来上がり。 POINT 1時間ごとに冷凍庫から出して、スプーンなどでかき混ぜる。 日本で最初の市販冷凍食品「イチゴシャーベー」。なぜ「イチゴシャーベー」だったのか、その秘密に迫ります!更に、実際「イチゴシャーベー」をアレンジ版として再現しました。レシピを掲載しているので、ぜひ挑戦して、その味を楽しんでみてくださいね。 長期保存ができる冷凍食品だからこそいつでも美味しく食べるためのポイントを抑えましょう! 知っていますか? 家庭の冷凍庫の役割 おうちの冷凍庫のお仕事は、「食品をいちから凍らせる」のではなく、「冷凍の食品を保存する」こと 家庭の冷凍庫の役割について、考えたことはありますか? 正解は、購入してきた冷凍食品やアイスなどを「保存する」ための場所。あくまでも、食べるまでの一時置き場というのが、冷凍庫の位置付けなのです。 しかし、時々こんな勘違いをしている人も。例えば、「買ってきた生や常温の食べ物を家の冷凍庫で凍らせれば劣化しない」、「一度解凍した食物も、もう一度冷凍庫に入れて置けば、冷凍しっぱなしのものと同様に長持ちする」…などなど。でも、それは大きな間違い! 市販の冷凍食品は、鮮度のいいうちに工場で急速凍結してあるため、食品の新鮮さが長続きします。しかし、家庭用の冷凍庫には同等の急速凍結能力はないため、ホームフリージングした食品は市販の冷凍食品のように長持ちしません。また、市販の冷凍食品でも家庭で冷凍させたものも、一度解凍したものは再び冷凍庫にしまわず、すぐに食べるか処分することが鉄則です。 以上を守って、安全な冷凍食品ライフを心がけて。 家庭の冷凍庫の役割について、例えば、「食品をいちから凍らせる」場所と思ってはいませんか?実はそれ、大きな間違いなんです。そんな冷凍庫の役割について、詳しくレクチャーします! 自分の家の冷凍庫内が、何℃になっているか知っていますか? 一般的な家庭用は-18℃くらい。開閉ですぐに上がってしまうので要注意 冷凍食品を保存しておく冷凍庫、意外と知られていないのがその温度です。0℃以下ならば水や食物は凍った状態をキープできるから、-5~10℃くらいかな? そんな風に考える方もいるかもしれませんが、冷凍食品の保存温度の世界基準は実は-18℃以下。それに合わせて、冷凍庫の温度も-18℃前後となっているものが一般的です。 ちなみに、温度調節ができる冷凍庫は、そこから前後2~3℃は上げ下げができるようになっており、冷蔵庫は0~10℃になるように設定されているものが多いよう。 家庭用冷凍庫・冷蔵庫は、開閉が多い分、温度が上がりやすく、中に入れてある食品もその変化を受けやすいので、冷凍食品と言えどもなるべく早めに調理して食べるのがおすすめです。 意外と知られていない冷凍庫内の温度。でも、冷凍食品のパッケージにある保存方法の項目に、温度表記があるのをご存知ですか?冷凍食品を正しく保存をする上で必見です! 冷蔵庫と違う! 冷凍庫はぎっしり詰めた方が効率的って知ってた? 冷凍庫はスキマを埋めて電気代節約 冷蔵庫や冷凍庫は、使い方によって保冷力や電気代が大きく変わってきます。例えば、冷蔵庫は庫内に詰めすぎると冷気がまんべんなく行き渡らないため、少しゆとりを持って食品を入れるといいと言われています。 では、冷凍庫の場合はどうでしょうか? 実はこちらは逆。すき間なく食品を詰め込んだ方がいいと言われています。これはなぜかというと、凍った食品自体が保冷材の働きをして、お互いを冷やし合うからなのです。こうすることで冷凍庫を開けたときの温度上昇を防ぐことができ、結果的に電気代の節約にもつながります。 ですから、もし冷凍庫の中にすき間があったら、お店などでもらった保冷剤などで埋めてもいいですし、小分けにした氷などを詰めてぴったりすき間を作らないのがいいのです。とはいえ、取り出す時間がかからないように、日頃の庫内整理も必要ですね。 冷凍庫は、凍った食品自体が保冷剤の働きをして、お互いを冷やし合うため、ぎっしり詰めた方が効率的。冷凍庫のスキマ埋めテクを教えます! 解けた冷凍食品はナマモノと同じ!暑くなる時季は冷凍食品の扱いに特に注意を 暑い季節のお買い物には、内側にアルミフィルムが貼られた保冷バッグを! いよいよ6月。気温も湿度もぐっと高まる時季がやってきました。 お弁当や日々の食卓に欠かせない冷凍食品は、常に冷凍庫にストックしておきたいもの。週末などにまとめ買いしている人も多いですよね。 そんなスーパーへの買い出しのときに気をつけたいのが、「冷凍食品をなるべく解かさないようにする」こと。冷凍食品は、解凍してしまえば生の食品と同じ。再び冷凍庫で凍らせるのはNG、すぐに食べなくてはなりません。 そこで、夏場のお買い物に欠かせないのが保冷バッグです。あらかじめ自宅の冷凍庫にある保冷剤をいくつか入れていき、購入を済ませたら手早くバッグの中へ。なるべく早く帰宅し、すぐ冷凍庫に入れましょう。特にクリームコロッケなど中がやわらかいものは、解凍されると加熱したときに破裂しやすくなるので、解けないように気を付けて。 温度に注意して持ち帰り、夏場も冷凍食品を安心して活用してくださいね。 解けた冷凍食品はナマモノと同じって知っていましたか?冷凍食品を解かさないで持ち帰る注意点をまとめました。気温の高くなる夏場はもちろん、冬場も暖房の効いた車内や室内で解かさないよう、温度に注意して持ち帰り、冷凍食品をおいしく食べてくださいね。 冷凍食品「保存」に関する、よくある疑問を解消! 買い置きした冷凍野菜は、どれくらいで食べ切るべき? 未開封のものでも、2~3カ月程度を目安に食べ切ろう いつか食べるから…と、古い冷凍食品を冷凍庫にいつまでも入れっぱなしにしているというご家庭はありませんか?しかし、冷凍食品は無期限においしく食べられるわけではなく、生鮮食品と同じで賞味期限というものがあるんです。 その期限は長いもので1年以上のものもありますが、ご家庭の冷凍庫で保存する場合、一般的には2~3カ月程度が目安です。特に冷凍野菜など、開封すると水分が抜けたり、酸化して鮮度が落ちやすいので早目に食べ切りましょう。 ちなみに、一度解凍したものをもう一度冷凍しても、元の賞味期限が継続するわけではなく、解凍してしまったものは、生と同じ。すぐに調理して、使い切りましょう。 買い置きしておくと便利な冷凍野菜、正しい知識を持っておいしく食べることをオススメします! 人気商品の、アレンジしやすいほうれん草(左)と、様々なカラフル野菜が入った洋野菜ミックス(右)。 冷凍してあるからといって、無期限においしく食べられるというわけではありません。では、買い置きした冷凍野菜は一般的にどれくらいの期間ならおいしく食べられるのか、その疑問に迫ります! 冷凍庫に入れておくとわいてくる霜、その正体は!? 開けたり閉めたりすると霜がつきやすいから要注意! 冷凍食品の袋を開けると、中に霜がついていたことはありませんか? その原因は、食品の中の水分が温度変化によって気化し、それが再び凍って固まったもの。 そうならないようにするため、気を付けたいのは二点。まずは温度変化の影響を受けにくいよう、冷凍庫の扉はあまり長時間開けないこと。そしてもう一点は、冷凍庫の中の食品をすき間なく詰めておくことで、外気の影響を受けにくくすること。 食品の中の水分が抜けるとおいしさも半減してしまうので、霜ができる前に早めに食べてしまうことがおすすめです。 冷凍食品の袋を開けると、中に霜が…。なぜ霜がつくのか、霜がついているとどうなるのか、この霜って大丈夫?そんな疑問にお答えします!更に、霜をつきにくくする保存のポイントも伝授! 冷凍シュウマイとチルドシュウマイ、どう違う? 冷凍シュウマイは長持ち&小分けに食べられる 一見何の変哲もないシュウマイ。左右の違いは何なのか、分かりますか?実はこれ、右が冷凍、左がチルド(冷蔵)のものなんです。 チルドというのは、0~+10℃の温度帯で保存・流通する食品のこと。こちらでもおいしさは保てますが、冷凍と違って一度開封すると食べ切ることを前提とされているので、開けどきはよく考えたほうがベター。冷凍食品は、冷凍することそのものが長く保存できる秘訣なので、口に入るときまでできたての品質を保つことができます。 冷凍食品は食べたい分だけ加熱して、残りはジッパー付きビニール袋に入れて再度冷凍庫で保存OK。おかずが足りないときや、小腹が空いたときのために、1パック買ってあると安心です。 冷凍シュウマイとチルドシュウマイ、その違いをご存知ですか?それぞれのメリットを正しく知って、シーンに合わせて上手に活用しましょう! 10月18日は「冷凍食品の日」! でも、なんで10月18日なの?? 冷凍(レイトウ)のトウ=10と冷凍食品の品質を守る-18℃を組み合わせて記念日に 10月18日は「冷凍食品の日」。これは冷凍(レイトウ)の「トウ」=10に、「冷凍食品の栄養価を保ち、品質を維持するための世界共通の温度」=マイナス18℃以下と決められていることを由来として、1986年に制定されたもの。 このマイナス18℃を基本として、家庭用冷凍庫や、スーパーマーケットのショーケースの温度が設定されています。 冷凍いちごから始まった冷凍食品ですが、今やそのバリエーションは年を追うごとに広がり、お弁当のおかずはもちろんのこと、普段の食卓のメイン料理として、またコンビニのレジ横メニューとしてなど、私たちの食生活を多方面から支えています。料理の手間を減らしてくれるだけでなく、栄養バランスが気になったときにはそれを補ってくれることも。 もっともっと冷凍食品を上手に活用して、毎日の食事を豊かに。ぜひ10月18日はお気に入りの冷凍食品でお祝いを! 毎年10月18日は「冷凍食品の日」ってご存知ですか?この日付を知っておけば、冷凍食品の保存の温度をばっちりマスターできます!ぜひ「冷凍食品の日」の由来を覚えてくださいね。 もっと冷凍食品の「保存」について知りたい方は、こちらもぜひご覧ください。

1.空気を抜いて密封する

開封した冷凍食品をラップや保存袋で保管する場合は、できるだけ空気を抜いて密封し、手早く冷凍室に戻しましょう。冷凍焼けや乾燥を防ぎ、品質を維持しやすくなります。

2.冷凍庫の温度を適切に管理する

冷凍庫の温度が上がると、冷凍食品が劣化しやすくなります。扉の開閉時間をできるだけ短縮するなどして、-18℃以下に保つよう心がけましょう。また、食品は隙間なく詰め込むのが理想です。凍った食品同士で冷やし合って温度上昇を防げます。

家庭用冷蔵庫の冷凍室の温度について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

自分の家の冷凍庫内が、何℃になっているか知っていますか?

一般的な家庭用は-18℃くらい。開閉ですぐに上がってしまうので要注意 冷凍食品を保存しておく冷凍庫、意外と知られていないのがその温度です。0℃以下ならば水や食物は凍った状態をキープできるから、-5~10℃くらいかな? そんな風に考える方もいるかもしれませんが、冷凍食品の保存温度の世界基準は実は-18℃以下。それに合わせて、冷凍庫の温度も-18℃前後となっているものが一般的です。 ちなみに、温度調節ができる冷凍庫は、そこから前後2~3℃は上げ下げができるようになっており、冷蔵庫は0~10℃になるように設定されているものが多いよう。 家庭用冷凍庫・冷蔵庫は、開閉が多い分、温度が上がりやすく、中に入れてある食品もその変化を受けやすいので、冷凍食品と言えどもなるべく早めに調理して食べるのがおすすめです。

3.解凍方法を使い分ける

解凍に時間をかけてしまうと、冷凍食品が劣化しやすくなります。食中毒の原因菌が増殖するおそれもあるので、スピーディーに解凍することが重要です。電子レンジ・流水・冷蔵庫など、食品や使用方法に合わせて適切な解凍方法を選びましょう。

冷凍食品の解凍方法について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

解決!冷凍食品の解凍にまつわる疑問

冷凍食品は正しく解凍してこそ、おいしく食べることができますが、解凍方法を間違えると、せっかくの素材が台無しになってしまうことも。温度は?調理の手順は?ひとつずつ確認して、あなたも冷凍食品マスターになりましょう! まずは冷凍食品の解凍に欠かせない、電子レンジに関する疑問を解決! 使っちゃダメ?冷凍食品に電子レンジの「自動あたためボタン」 電子レンジによってオートの出力や加熱時間は微妙に違うんです。そのため、自動温めボタンで加熱すると、うまく解凍できなかったり、温まり過ぎて焦げてしまう恐れも。冷凍食品をおいしく食べるには、袋の表示通りに温めることが重要です。 意外と知らない、冷凍食品の電子レンジ調理での正しい置き方 電子レンジのどこに冷凍食品を置くかで、温まり方に違いが生まれることを知っていますか?効率のよい温め方法を知っていれば、全体をまんべんなく温められる上に、電気代の節約にもなります。置く場所の正解を分かりやすくご紹介! 続いて、最近続々増えてきた自然解凍できる冷凍食品の疑問を解明! 「自然解凍」で食べられる冷凍食品が加熱せずに食べられる理由とは? 自然解凍品には本来は加熱することで完成する揚げ物などのメニューもたくさん。しかし、焼いたり煮たり、電子レンジで温めることなく、放っておけば食べ頃になり、水っぽさもないなんて驚き! 一体製造にはどんな工夫がされているのでしょうか。 こういうことよくあるある!…知りたかったあの問題を解決 コロッケが爆発!? 冷凍コロッケの正しい調理方法知ってます?? お弁当や夕食のおかずによく活用される冷凍コロッケ。でも、冷凍庫から出してすぐに調理しないとこんなことに…!解け始めたものを加熱するとどうなるか実験しました。 ちょっとしたコツでこんなに変わる!冷凍かぼちゃの上手な煮方、教えます 下処理いらずで便利な冷凍かぼちゃを使い、かぼちゃ煮を作ります。ぐっと仕上がりのおいしさが増す、いくつかのポイントをレクチャー。 冷凍里芋はしっかり解凍してから煮る?それとも凍ったまま煮たほうがよい? 冷凍かぼちゃ同様、煮物に揚げ物にと活躍度の高い冷凍里芋。手順としては解凍してからと、凍ったまま煮るのとでは、どちらがうまくできるのでしょうか? 知ってる?冷凍の肉や魚を解凍すると出てくる赤い液体の正体 自宅でマグロのサクなどを解凍し、赤い水のような物がしみ出してきたことはありませんか?その正体は「ドリップ」という液体。一体どんな成分なのでしょうか? 急いでいるときに、冷凍マグロをおいしく解凍する方法、知ってる? 年末年始などの急なお客様が多いシーズンや、食事前にうっかり冷凍のサクを解凍し忘れてしまったときに、知っていると便利な“冷凍マグロの時短解凍ワザ”をご紹介。 茹でなきゃダメ!と思われがちな人気冷凍食品2選の疑問を解決! 電子レンジで加熱すればOK!「冷凍野菜は茹でずに使える」が常識です ブロッコリーなどの冷凍野菜はお湯で茹でるのが基本と思っていませんか?でも、電子レンジで適正時間で加熱するのが、簡単かつ一番おいしく食べられる方法なんです。 驚き!冷凍うどんは電子レンジでチンできるって知ってた? 冷凍野菜と同様、茹でないと食べられないと思われているのが、冷凍うどん。でも、チンしてほぐせば、あっという間に調理完了!茹でる手間が省けるんです。 知っているともっとおいしく食べられる、特別な解凍法に迫ります! うまみを逃がさない、正しい「流水解凍」の仕方、ご存知ですか? 冷凍のシーフードなどのおいしさを閉じ込めたまま解凍する「流水解凍」の方法とは?詳しく解説します。 冷凍保存された食品をおいしく早く解凍する“氷水中解凍”って何? 凍ったマグロのサクなどを解凍するときは、「氷水中解凍」が便利。おいしさをキープできるのはもちろんのこと、早く食べ頃の状態になるんです。 その他、冷凍食品の種類ごとの正しい解凍方法は以下からご覧いただけます。

うまみを逃がさない、正しい「流水解凍」の仕方、ご存知ですか?

「流水解凍」の名の通り、水を流せばいいというわけではありません! 解凍には主に、電子レンジなどを使う「急速解凍」と、水や冷蔵庫の中で、もしくは室温で時間をかけて解凍する「緩慢解凍」の二種の方法があります。緩慢解凍の中でも、例えば冷凍シーフードミックスなど、鮮度を保ちながらも素早く解凍したい肉や魚には、「流水解凍」という方法が便利です。 「流水解凍」は読んで字のごとく、流れる水を活用して解凍する方法。しかし、直接水を食品にかけてしまうと、うまみが逃げてしまったり、衛生的でないのでNG。 手順は2つあり、まずは水の入らない密閉されたポリ袋などに入れること。さらに、ボウルなどにその袋を入れ、その上から水を流しっぱなしにしましょう。 こうすることで、食品全体に触れる水の温度が一定になるため、解凍ムラができにくくなるのです。おいしく、そして素早く解凍するこのワザ。試さない手はありません!

4.冷凍庫内を整理整頓する

冷凍庫内を整理整頓すると、何が冷凍庫にあるのかが把握しやすくなり、賞味期限切れを防止しやすくなります。以下のような方法を取り入れて、冷凍食品を管理しましょう。

5.立てて収納する

冷凍食品は立てて保管がおすすめです。どれが何の食品なのか把握しやすくなるだけでなく、スペースも有効活用できます。

6.仕切りを活用する

仕切りを使うと、食品ごとに分類したり、袋が倒れて見えなくなったりするのを防げます。ケースやボックスを使って整理するのも良いでしょう。

冷凍室の整理方法を知りたい方はこちらをご覧ください。

冷凍食品を立ててすっきり! 100均の仕切りで「賞味期限切れ」から解放される

積み重ね収納はNG! 食品を立てて入れれば中のものが一目瞭然です 冷凍食品の関する悩みで多いのが、奥にしまった食品の存在を忘れてしまい、食べる前に賞味期限を過ぎてしまうこと。保存してある食品をムダにすることなく使い切るには、見渡しやすい収納が必須です。 しかし、ひとつ食品を取り出すと、ほかのものが倒れてしまいがち。崩れるのが面倒で、ついつい寝かせて積み重ねてしまうことも。 そんな時に便利なのが、ブックエンドと同じ要領で食品を立てるのに役立つ100均の冷蔵庫・冷凍庫スタンド。清潔感のあるクリアカラーで、幅が調節できるので、冷凍庫の中を自分流にブロッキングして分かりやすく収納することができます。 特にホームフリージングしたものなど、自立しにくい食品を入れたジップ付き袋などを立てるときにお役立ち。ひとつ100円なので、買い替えや買い足しが気軽にできるのもうれしいところです。 便利グッズを使って、美しく見やすい冷凍庫を蘇らせましょう! 右上は2つを組み合わせてコの字型にするタイプ。左下はあらかじめ幅の調節ができるコの字型になったもの。

まとめ

「凍っているから大丈夫」と思われがちな冷凍食品にも美味しく食べられる期限として賞味期限が設定されています。賞味期限を過ぎた冷凍食品は、おいしさや品質が損なわれている場合もあるため、先に説明したように品質が低下している場合は、食べないほうが賢明です。

また、温度が変わりやすい家庭用冷蔵庫の場合は、賞味期限よりも早く品質が低下することがあります。購入後はなるべく早めに消費しましょう。

この記事を書いた人

日本冷凍食品協会広報部編集チーム

冷凍食品の魅力を伝える普及活動をしています。

RELATED POSTS

関連記事はこちら