冷凍庫の霜取り方法を解説!霜がつく原因や予防法も紹介

日本冷凍食品協会 編集チーム

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冷凍庫の霜

冷凍庫に分厚い霜がつくと、庫内が狭くなって使いづらくなります。霜は冷却能力が低下したり、電気代がかさんだりする原因になるため、早めに対処したいところです。

今回は、冷凍庫に霜がつく理由や霜取りの方法、霜がつくのを予防する方法などについて解説します。

冷凍庫に霜がついてしまう原因は?

冷凍庫の霜

いつの間にかついている冷凍庫の霜ですが、そもそもなぜ霜がついてしまうのでしょうか。まずは、冷凍庫に霜がつく主な原因を解説します。

結露の発生

冷凍庫に霜がつく最大の原因とされるのが、冷凍庫内で発生した結露です。冷凍室のドアを開けると、冷凍室と室内の空気の温度差によって結露が生じます。そしてドアを閉めると発生した結露が冷やされて凍結し、霜になるのです。

冷凍庫のドアを開閉する度に結露の発生と凍結が繰り返されるため、ただ冷凍庫を使用するだけでも、少しずつ霜が蓄積してしまいます。

冷気の吹き出し口の詰まり

冷凍庫が冷えるのは、奥のほうにある吹き出し口から冷気が出ているからです。吹き出し口が食品やホコリなどで塞がると、冷気がうまく循環しなくなって庫内の温度が上がるので、結露が発生して霜がつく場合があります。

吹き出し口に霜がついて、さらに冷気が循環しにくくなり、霜が蓄積しやすくなることもあります。

経年劣化や故障

冷凍庫が壊れていたり、経年劣化によって冷却能力が落ちていたりしていることが、霜の発生につながっている場合もあります。冷凍庫内がしっかりと冷えなくなって温度が上昇し、結露が発生しやすくなるためです。

また、冷凍庫本体に問題がなくても、ドアパッキンが劣化して隙間ができていると、そこから外部の温かい空気が庫内に侵入して結露が生じ、霜がつくことがあります。

【補足】冷凍庫の種類によっても霜のつきやすさが変わる

実は冷凍庫の種類によって、霜のつきやすさが変わることはご存知でしょうか。冷凍庫には、冷却器で冷やした空気が自然に広がる「直冷式」と、ファンで冷気を庫内に送る「ファン式(間冷式)」があります。

このうち直冷式は、冷凍庫内が直接冷やされるので水分が凍りやすく、霜がつきやすいのが特徴です。

一方、ファン式はファンによって冷気を循環させて冷やすため霜がつきにくく、自動霜取り機能搭載モデルが多いというメリットもあります。

1人暮らし向けの冷蔵庫や小型の冷蔵庫は直冷式であることが多く、ファミリー向け冷蔵庫はファン式が多い傾向にあります。購入前に種類を確認しておくと良いでしょう。

冷凍焼けとは?霜との違い

食品を冷凍庫に入れていると、「冷凍焼け」を起こすことがあります。冷凍焼けとは、食品が乾燥したり酸化したりして、品質が落ちてしまった状態のことです。

冷凍庫内は湿度が低いので、長く冷凍庫内の空気に触れた食品は水分が蒸発し、乾燥してパサパサになっていきます。さらに空気に触れることで酸化も進み、食品からイヤなニオイがしたり変色したりすることもあります。これが「冷凍焼け」です。

冷凍焼けを起こした食品の表面には霜のようなものがついていることがあるので、「霜=冷凍焼け」と思っている方もいるかもしれません。しかし、冷凍焼けと霜は別物です。具体的には何が違うのか、詳しく解説します。

「霜=冷凍焼け」は間違い?

冷凍庫内の食品に霜がついていると、冷凍焼けを起こしていると思うかもしれませんが、「霜=冷凍焼け」は間違いです。

先述の通り、冷凍焼けは冷凍庫内の空気が原因で、食品の水分が蒸発して乾燥したり、酸化が進んだりした状態を指します。一方、霜は冷凍庫の壁面や食材の表面についた水分が凍ったものであり、水分が蒸発したわけではないので、冷凍焼けとは異なります。

冷凍焼けした食材は食べていい?

冷凍焼けを起こした食品は、風味や食感が悪くなっていますさらに、酸化が進んでおり、安心して食べられるとは言い切れないため、冷凍焼けを起こした食品を食べるのはおすすめできません。一度冷凍焼けを起こした食品をもとに戻す方法はないので、あきらめて廃棄しましょう。

冷凍庫の霜取り方法

冷凍庫の霜取り方法

冷凍庫の霜取り方法は、霜がどれくらいの厚さになっているかで変わります。ここでは、霜の厚さ別の霜取り方法を紹介しますので、今の状態に適した方法を試してみましょう。

霜が薄い場合

冷凍庫内に薄く霜がついている程度なら、簡単に霜取りができます。タオルやふきんをぬるま湯に浸けてしっかりと絞り、霜がついているところをふき取るだけでOKです。

これだけでも面倒に感じる方もいるかもしれませんが、霜が厚くなるほど霜取りが大変になるので、できるだけこまめにふき取っておきましょう

霜が厚い場合

霜が厚くなってしまい、タオルなどでふいても取れないときは、冷凍庫(冷蔵庫)本体の電源を落とさなくてはなりません

冷凍庫や冷蔵庫に保管している食品をクーラーボックスなどに移動し、冷凍庫の電源を落としましょう。そして冷凍庫のドアを開けて、霜が自然に解けるのを待ちます

解けた霜が水になって流れてくることがあるので、冷凍庫の周りにシートやタオルを敷いておくのがおすすめです。完全に霜が解けたら冷凍庫内に残った水分をしっかりとふき取って、庫内が完全に乾くまで待ったら霜取り完了です。

霜が解けるまでに数時間かかることもあるので、夜寝る前に冷凍庫の電源を落として、朝まで放置すると良いでしょう。

霜がかなり厚い場合

現在の冷蔵庫では生じませんが、製造年月日が古い冷蔵庫などでは、霜がかなりの厚さになる場合があります。

このような場合は、冷凍庫の電源を落としてドアを開けておいても、なかなか霜が解けません。そのため、ある程度霜が解けた段階で、ヘラを使って剥がしましょう

このとき硬い金属製のヘラを使うと冷凍庫が傷むので、ゴム製やシリコン製の柔らかいヘラを使ってください。霜を剥がしたら、残りの霜が完全に解けるまで待ち、タオルでふいて乾燥させます。

【NG】やってはいけない霜の取り方

「手っ取り早く霜を取りたい」と思うかもしれませんが、以下のような方法での霜取りはNGです。

  • ドライヤーで温める
  • 熱湯をかけて解かす
  • アイスピックやナイフで削る
  • カー用品の霜取りスプレーを使う

上記のような方法で霜を取ると、冷凍庫が傷んだり故障したりするおそれがあるので、先に紹介した方法で霜取りしましょう。

冷凍庫の霜を防ぐ方法

冷凍庫に霜がつくといろいろなデメリットがある上に、霜取りに手間がかかって大変です。普段から冷凍庫に霜がつかないように意識して使用しましょう。ここでは具体的には何をすれば良いのか、冷凍庫の霜を防ぐ方法を紹介します。

冷凍庫の開閉回数を減らす

冷凍庫内の温度変化が激しいと、結露が発生して霜がつきやすくなります。霜がつくのを防ぎたいなら、冷凍庫のドアの開閉回数を減らして、できるだけ-18℃以下を維持するようにしましょう。

また、ドアを開けると部屋の温かな空気が冷凍庫内に入るので、なるべく素早く閉めることも重要です。

定期的に庫内をふき取る

定期的に冷凍庫内をふき取れば、霜が厚くなるのを防げます。霜が厚くなると霜取りに苦労することになるので、頻度を決めてこまめにふき取りましょう。

熱い料理は常温に冷ましてから入れる

熱いものを冷凍庫に入れると、冷凍庫内の温度が上昇して結露が発生するので霜がつきやすくなります。料理やご飯などを冷凍する場合は、常温になるまで冷ましてから冷凍庫に入れましょう

ドアパッキンを掃除する

ホコリやゴミなどの汚れを放置するとドアパッキンが劣化して、隙間から冷凍庫内に温かい空気が侵入しやすくなります。そうすると霜がつきやすくなるので、定期的にドアパッキンを掃除しましょう

まとめ

冷凍庫に霜がつく主な原因は結露です。また、冷気の吹き出し口が詰まったり、冷凍庫が劣化していたりするときも霜がつくことがあります。

霜がつくとさまざまな問題が起こる可能性がある上に、霜取りの作業も大変なので、普段から霜がつかないような使い方を心がけましょう。

この記事を書いた人

日本冷凍食品協会 編集チーム

冷凍食品の魅力を伝える普及活動をしています。

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