調理講習会を支えている「調理コンサルタント」のご紹介
日本冷凍食品協会では、 皆様からのお申込みにより冷凍食品に関する講習会を開催しています。
講習会では、冷凍食品の基礎知識を中心に、一般の方向け、栄養士・調理師の方、学生向けの対象別に実施しています。ご希望により、調理講習会を行っており、当協会が委嘱している全国の調理コンサルタント 12 名が、担当の地域で冷凍食品の解凍・調理方法の解説や料理メニューなどを紹介しています。
ここでは、 「調理コンサルタント」について、当協会における冷凍食品講習会の歴史からひもといてご紹介します。
講習会の歴史
日本冷凍食品協会が設立された1969(昭和44)年頃は、大都市の百貨店やチェーン展開が始まった大手スーパーマーケットの食品売場に、ようやく冷凍ショーケースが設置されるようになり、若干の冷凍食品が陳列されているという状況でした。
一部の消費者を除き、ほとんどの消費者は冷凍食品を見たことも聞いたこともなく、その解凍方法・調理方法などは全く知らないというような状態だったため、当協会は設立当初から、一般消費者および業務用ユーザーを対象とした「冷凍食品を使った調理講習会」に力を入れてきました。
当初、協会が実施していた標準的な講習会は、約30分の普及映像を上映の後、「冷凍食品の正しい知識」について講演し、水産物・農産物・調理冷凍食品の解凍・調理の実演や、冷凍食品を素材として用いた応用料理を提示する内容でした。
1会場につき40~60名の受講者を対象に、3~4時間をかけた講習会で、手間のかかる取り組みでしたが、実際に見て、聞いて、試してという内容が参加者に喜ばれ、全国から受講の希望が寄せられました。この講習会に無くてはならない存在だったのが、調理コンサルタントです。

70年8月に宮城生活センターで実施した講習会

85年7月の講習会(右端が中川先生)
調理コンサルタントグループの基礎をつくった 「柊(ひいらぎ)会」について
1970年以降、年々講習会の開催希望が増加するとともに、地域も北海道から九州まで全国に広がるようになり、これまでお願いしてきた数名のコンサルタントだけでは対応が難しくなってきていました。また、開催希望や開催地域の広がりが顕著となり、協会として全国の主要地域に、冷凍食品に詳しいコンサルタントを配置する必要がありました。
一方で、当時は冷凍食品の社会的認知度が低く、積極的に引き受けてくれる講師を見つけるのに難航したことから、当時協会が提供するテレビの料理番組に出演していた中川紀子氏(水戸市中川料理学園園長)に相談した結果、中川氏が所属する「全国郷土料理研究会 柊(ひいらぎ)会」に打診することになりました。
柊会は、料理講師の全国組織で各都道府県に1人のみ、その地域の第一人者で、料理学校や調理師学校を経営している講師で構成される組織でした。1975年8月3日に、当時の当協会専務理事から、柊会に参集された講師の方々に、冷凍食品の由来や現状、メリットなどについて話をする機会を得て、講師の方々から大きな関心を示されました。数ヵ月後には研究会を実施し、30名ほどの先生が参加され、様々な冷凍食品の解凍・調理方法をテーマにした調理講習会を実施しました。その時受講された地域の先生数人に依頼し、現在につながる調理コンサルタントのグループができたのです。
現在の取り組み
現在は、全国各地から12名を調理コンサルタントに委嘱し、冷凍食品の解凍・調理法だけでなく、栄養や鮮度・衛生性など冷凍食品が持っている様々な特性や温度管理の必要性、購入方法、保存方法などについて正しく知っていただくことを目的に、講習会を開催しています。

東京農業大学での調理デモンストレーションの様子

愛知学泉大での対面講習の様子
冷食オンラインでは、調理コンサルタント考案の冷凍食品アレンジレシピを随時公開していきますので、ぜひご覧ください。
当協会では会員・非会員問わず皆様からのお申込みにより冷凍食品に関する講習会を開催しています。詳細は下記をご確認ください。
この記事を書いた人
日本冷凍食品協会 編集チーム
冷凍食品の魅力を伝える普及活動をしています。