「冷凍の魚は、焼くとパサつきそう」「解凍が難しそう」、 そんなイメージを持っていませんか?実はちょっとしたコツを知るだけで、冷凍の魚はふっくらおいしく焼き上げることができます。下処理や解凍の手間を減らしながら、魚本来の旨みを引き出せるのも冷凍食品ならではの魅力です。
この記事では、冷凍の魚をおいしく焼くための基本の考え方と、失敗しにくい解凍方法のポイントを、初めての方にも分かりやすくご紹介します。
冷凍の干物はそのまま焼いてOK!

干物は製造過程で魚の水分をしっかり抜いて、旨みを凝縮させた加工食品です。そのため、冷凍状態から直接調理してもドリップ(旨み成分を含んだ水分)が出にくく、むしろ凝縮された旨みをギュッと閉じ込めたままふっくら焼き上がります。
焼き方のコツは、フライパンなら弱火〜中火でじっくり、グリルなら中火で様子を見ながら焼くことです。記事の後半で具体的な焼き方も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
一方で、鮮魚の状態で冷凍されている場合は、半解凍することをおすすめします。冷凍のまま焼くとドリップが流れ出てしまい、風味や食感を損ねてしまいます。せっかくのおいしさが逃げてしまうのはもったいないですよね。
表面はほんのり柔らかくなりつつ、中心にはまだ少し凍りが残っているくらいの状態が、調理するのにちょうど良いタイミングです。
冷凍の魚の上手な解凍方法

冷凍された魚をおいしく食べるには、解凍の仕方がとても大切です。ポイントは「半解凍」の状態を意識することです。
完全に解凍すると身が崩れやすく、旨みがドリップとして流れ出てしまいますが、半解凍なら適度なハリを保ち、旨みや水分を逃がさず、ふっくらジューシーで臭みの少ない仕上がりになります。また、包丁が入れやすく調理しやすいのもうれしいポイントです。
ここでは、おすすめの解凍方法を3つ紹介します。
自然解凍
包装を開けずに、室内の涼しい場所に置いて自然に解凍する方法です。一番手軽な方法ではありますが、気を付けたいポイントがあります。
ひとつ目は、ドリップが出やすく生臭さが出ることがある点です。刺身など生で食べるときは避けたほうが無難です。
ふたつ目は、夏場や梅雨時期など、気温や湿度が高い季節は雑菌が繁殖しやすい点です。このため、冬場の加熱調理する魚の場合のみ向いている調理法と覚えておきましょう。
低温解凍
包装を開けずに、冷蔵室でじっくり時間をかけて解凍する方法です。3〜6時間ほどかかりますが、低温でゆっくり解凍するため、酵素反応や細胞破壊のリスクをある程度抑えられます。
ただし、冷蔵庫の中で氷の結晶ができやすい温度帯にとどまる時間が長くなると、魚の組織がダメージを受けてしまうことも。
時間に余裕があるときには良い方法ですが、解凍後は長時間放置せず、できるだけ早めに調理するのがコツです。
水中解凍
包装のままポリ袋に入れて空気をしっかり抜き、直接水に触れないように、口を閉じてから20〜30分水道水を流しながら解凍します。時間がないときには便利な方法ですね。
解凍時間は魚の大きさによって変わるので、5分おきに袋の上から押してみて、解凍の具合を確かめましょう。流水解凍は半解凍にしやすいので失敗が少ないのですが、常温解凍ほどではないにしても品質が少し落ちることがあるので、味付けがしっかりした料理に向いています。
氷水中解凍
包装のままポリ袋に入れて空気を抜いて封をし、氷水に浸して解凍する方法です。0〜4℃程度の氷水を使うのが理想的で、魚が凍り始める温度に近い状態で解凍できるため、ドリップを減らして旨み成分の流出を抑えられます。
丸ごとの魚なら、そのまま水に入れて重しで沈めます。すでに切り身や刺身用のさくになっているものは、袋に入れて空気を抜いてから氷水へ。解凍時間の目安は約1時間ですが、魚が浮いてくる場合は皿などで上から押さえて、全体が氷水に触れるようにすると早く解凍できます。
マグロやカツオなどの大型魚や、刺身など生で食べる魚には、この氷水中解凍が最もおすすめです。鮮度を保ちながら解凍できるので、おいしさをそのまま楽しめますよ。
電子レンジ解凍
すぐに調理したいときに便利な方法です。耐熱皿にキッチンペーパーを敷いて魚を直接のせ、解凍モードを使うか、電子レンジの最小ワット数(100〜500W)で20〜30秒ずつ加熱します。
様子を見ながら少しずつ加熱するのがポイントで、厚さのある切り身や大きな魚は加熱途中で裏返すとムラなく解凍できます。
短時間で解凍できるのがメリットですが、解凍ムラができやすく部分的に火が入ってしまうこともあるので、こまめにチェックが必要です。刺身など生で食べる場合には向いていないので、焼き魚や煮魚にする場合に活用しましょう。
冷凍の魚のおいしい焼き方

冷凍の魚は、解凍や焼き方が難しそう……と感じる方も多いかもしれません。ですが、いくつかのポイントを押さえるだけで、身はふっくら、風味もしっかりとした仕上がりになります。
ここでは、ご家庭で使いやすい調理器具別に、冷凍の魚をおいしく焼くコツについて解説します。
魚焼きグリル
魚焼きグリルは火力が高く、冷凍の魚をふっくら香ばしく焼き上げるのに向いています。
基本の焼き方は、次の通りです。
焼く前にグリルを2〜3分ほど予熱し、網に薄く油を塗ってから半解凍した魚をのせます。
まず身のほうを下にして中火で5〜7分焼き、裏返して同じくらい加熱すると、きれいな焼き色がつきます。網に油を塗っておくことで、こびりつきや後片付けの手間も減らせます。
「水ありタイプ」のグリルなら、水を入れて焼くことで水蒸気が出て、よりジューシーに仕上がりますよ。
フライパン
フライパンは火加減を細かく調整できるため、粕漬けやみりん漬けなど焦げやすい魚に向いています。
クッキングシートを敷いたフライパンに半解凍した魚を置き、中火で焼き色がつくまで加熱します。裏返したらフタをして蒸し焼きにすると、中までやさしく火が通ります。
クッキングシートを使うことで、魚がくっつきにくく、におい移りも抑えられます。耐熱温度やメーカーの注意事項を確認しながら使うと安心です。
オーブントースター
オーブントースターは、手軽に両面を一度に焼けるのが魅力です。
半解凍した魚をそのまま入れ、10〜12分ほど加熱すれば完成します。熱源が近いため上側に焼き色がつきやすく、皮を下にして置くと見た目良く仕上がります。
焦げが心配な場合は、途中でアルミ箔を軽くかぶせて調整すると、焼きすぎを防げます。忙しい日でも使いやすい方法です。
まとめ
冷凍の干物は凍ったまま焼くことで、旨みを閉じ込めたままふっくら仕上がります。切り身など通常の冷凍魚は、半解凍の状態で調理すると身崩れを防ぎ、風味も保てます。解凍方法は用途に応じて使い分け、刺身用なら氷水解凍、調理用なら流水解凍や冷蔵解凍が便利です。
焼くときはグリル、フライパン、トースターなど手持ちの調理器具に合わせて火加減を調整しましょう。今回のポイントを参考に、冷凍魚を上手に活用してみてはいかがでしょうか。
この記事を書いた人
日本冷凍食品協会 編集チーム
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