うっかり冷凍庫を開けっ放しにしてしまった経験はありませんか?実は、短時間でも庫内温度は急上昇し、食材の品質低下や故障につながることがあります。電気代への影響は意外と小さい一方で、食材の安全性や冷却効率へのダメージは見逃せません。
今回は、冷凍庫を開けっ放しにしたときの影響と正しい対処法、そして再発防止のコツについて解説します。
冷凍庫を開けっ放しにする影響
冷凍庫内の温度変化は想像以上に急激で、たった1分間の開けっ放しでも約-22℃(冷凍庫の適正な温度)から-5℃まで庫内温度が20度近く上昇してしまいます。さらに、一度上がった温度は扉を閉めても、もとに戻るまでに時間がかかります。
そのため、冷凍庫を開けっ放しにしてしまうと、思わぬトラブルが発生することがあります。ここでは、冷凍庫を開けっ放しにしたときの影響について解説します。
食材
冷凍庫を開けっ放しにした場合、最も深刻な問題は食材への影響です。冷凍庫内の温度上昇により、冷凍食品は半解凍状態になってしまいます。一度解凍された冷凍食品は品質が低下するだけでなく、腐敗するリスクも高まります。冷凍食品には基本的に保存料が使われていないため、解凍されてしまったら要注意です。
特に肉や魚などの生鮮食品は安全面から廃棄を検討すべきでしょう。また、アイスクリームなどは再冷凍によって風味が大きく損なわれるため、状態をよく確認してから判断する必要があります。食材の廃棄による損失は電気代よりもはるかに大きくなります。
故障
冷凍庫を開けっ放しにすると、庫内に水滴や霜がつく場合があります。この水滴を放置するとカビの原因になったり、さらに霜が増えたりするおそれがあります。
特にコンプレッサーなどの冷却装置に霜がついたままだと、冷凍庫の冷却効率が著しく低下します。これにより通常より多くの電力を消費し続けることになり、長期的に電気代が上昇する原因になります。
また、冷却装置への負担が増え、冷凍庫の故障につながる可能性もあるため、開けっ放しに気づいたら速やかに水滴や霜を拭き取るなどの対応が必要です。冷却効率の低下は修理や買い替えなどの大きな出費につながることもあります。
電気代
電気代については、冷凍庫を開けっ放しにしても思ったほど上がらないとされています。
これは、多くの冷蔵庫では、扉が開いているとコンプレッサーが自動的に停止するからです。
冷凍庫を開けっ放しにしたときの適切な対処法

ここでは、開けっ放しに気づいたときの食材の扱い方と、霜取りの具体的な手順について解説します。
食材は状態を見て対応する
冷凍庫を開けっ放しにした後の食材の扱いは、凍結状態によって異なります。
食材が完全に凍っている状態なら
食材がしっかりと凍っていれば、基本的にそのまま冷凍保存を続けても問題ありません。庫内温度が十分に下がっていることを確認してから使用してください。
食材の表面が柔らかい場合
半解凍の状態で食材の表面が柔らかい場合、注意が必要です。肉、魚、惣菜などは再冷凍せず、冷蔵庫に移して保存しましょう。早めに加熱調理し、1~2日以内に使い切ることをおすすめします。
なお、一度解凍された食品を再凍結すると、品質が著しく低下します。このメカニズムについての詳細は、以下の記事をご覧ください。
食材が明らかに解凍されている場合
完全に解凍されている場合には、安全面を考慮して廃棄しましょう。特に肉や魚などの生鮮食品は、変色やにおい、粘り気がある場合は迷わず処分しましょう。
霜を拭き取る
冷凍庫に霜が付着している場合は、以下の手順で適切に処理しましょう。
- 冷凍庫の中身をクーラーボックスに一時的に移動させます。特に夏場は食材が解けないよう保冷材も使用し速やかに作業を進めてください。
- 冷凍庫本体に付着した霜を取り除きます。40度程度に温めたタオルで霜を拭き取ると効果的です。熱湯やドライヤーは使わないでください。急激な温度変化で冷凍庫が変形するおそれがあります。
- 庫内や引き出しの水滴を拭き取り、完全に乾かします。水滴が残っていると、再び霜が付く原因になるため、注意しましょう。
- 冷凍庫の温度が十分に下がったことを確認してから、クーラーボックスに移していた食材をもとに戻します。
適切に霜取りを行うことで、冷凍庫の冷却効率が回復し、電気代の節約にもつながります。なお、冷凍庫の霜取りの方法について詳しくは、以下の記事をご覧ください。
冷凍庫の閉め忘れを防ぐ方法

日々の小さな工夫で閉め忘れを防ぎ、庫内温度を適切に保ちましょう。ここでは、冷凍庫の閉め忘れを防ぐための効果的な対策を紹介します。
アラーム機能を活用する
最近の冷蔵庫には、ドアが一定時間開いたままだと音で知らせてくれるアラーム機能が搭載されています。この機能をオンにしておけば、閉め忘れを効果的に防止できます。
機種によってはアラーム音量を調節できるので、テレビの音や日常の会話で聞き逃さないよう設定を確認しましょう。
また、古い冷蔵庫を使用している場合は、市販の外付けドアアラームを取り付けることも可能です。
リマインダーのためのメモを貼る
物理的なリマインダーも非常に効果的です。冷蔵庫の目立つ場所に「ドア閉めた?」「確認OK?」などと書いたメモやマグネットを貼ることで、閉め忘れの意識付けになります。
家族全員が気づきやすいデザインや色のメモを選ぶことで、閉め忘れを減らせます。
家族間でルールを決め、徹底する
冷凍庫の閉め忘れは、家族全員で対策することが大切です。「冷凍庫はしっかり閉める」というルールを共有し、特によく使う時間帯には誰かが確認する役割を決めておくと良いでしょう。
小さなお子様がいるご家庭では、子どもの手が届かないようにチャイルドロックやドアストッパーを活用する方法も効果的です。
扉のゴムパッキンを定期的に掃除する
冷蔵庫の扉は磁石で閉まる仕組みになっていますが、ゴムパッキンが汚れていると磁石が正常に作動せず、きちんと閉まらなくなることがあります。定期的にゴムパッキンの掃除をして清潔に保ちましょう。
また、閉めた後は軽く押して確実に密閉されているか確認する癖をつけることで、半開きを防げます。
まとめ
冷凍庫を開けっ放しにすると、食材の劣化や冷却効率の低下など思わぬトラブルを招くことがあります。気づいたらすぐに霜取りや庫内の確認を行い、再発を防ぐための習慣づくりも大切です。アラーム機能やメモを活用して、冷凍庫の状態を常に良好に保っていきましょう。
さらに、冷凍庫の冷却効率については、「ぎっしり詰めたほうが効率的」という特徴もあります。正しい使い方を意識して、電気代を抑えつつ食材を安全に保存していきましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
この記事を書いた人
日本冷凍食品協会 編集チーム
冷凍食品の魅力を伝える普及活動をしています。