冷凍食品の「凍結前加熱」表示って何のこと?

2020.01.22

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冷凍食品の「凍結前加熱」表示って何のこと?

「加熱していない」となっていても加熱処理が加えられていることも

今回は、冷凍食品の表示のお話。パッケージを裏返すと、原材料や賞味期限などの表記の下に、「加熱調理の必要性」という欄があり、「加熱してお召し上がりください」とか「解凍してそのままお召し上がりいただけます」などと書いてあります。加熱して食べる冷凍食品については、「凍結前加熱の有無」という欄があるのですが、ご存知だったでしょうか?

この「凍結前加熱」とは、加熱後摂取冷凍食品(食べる前に熱を加えるタイプの冷凍食品)に対し、食品衛生法によって表示することが定められている項目で、製造の過程で商品を凍結する直前に加熱したか、しないかを示すものです。

「加熱してありません」との表記がある場合は、全く加熱処理が行われていないこともありますが、実は次のようなものも含まれます。例えば、冷凍野菜の多くは「加熱してありません」となっていますが、全く加熱調理がなされていないわけではなく、色や鮮度などの品質を保つために前処理としての加熱(ブランチング)が施されています。しかし、調理上の完全加熱ではないためにこのような表記になっているのです。また、お好み焼きや焼き鳥など、明らかに一度加熱調理されている冷凍食品も、凍結前にタレをかけたり冷ましたりなどの工程が行われた場合は、加熱直後に凍結したわけではないので、同様に「加熱してありません」と表記されることになります。

「加熱してあります」と表記してある場合は、凍らせる直前に焼いたり油で揚げたりしているものです。そのまま食べるとおいしくないので、表示通りに加熱して食べてくださいね。

ちなみに、冷凍前に塩ゆでなどで完全加熱したそら豆や枝豆などのパッケージには、「加熱調理の必要性」の欄に「そのままお召し上がりください」などと書いてあり、その場合はそもそも「凍結前加熱の有無」という欄がありません。店頭で商品を裏返し、見比べてみるのも面白いかもしれません。

食べるときには、「凍結前加熱の有無」の表示にかかわらず、パッケージの調理方法を確認して、その通りに調理し、食すようにしてください。

冷凍洋野菜の鮮やかな色はブランチングによるもの。

冷凍洋野菜はブランチングしてあるため、解凍しても鮮やかな色が保たれます。

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